犬のトリミングバイト-現在のペット事情

高校の頃、近くの金物屋というか雑貨屋さんでバイトをしていた。
静電気防止に柔軟剤を入れた水で、ひたすら商品を拭いていくという仕事である。
何が良かったかって、途中で必ず休憩が入り、隣の喫茶店でコーヒーとホットケーキなどのおやつを頼んで出してくれるのが楽しみだった。

店主であるおばちゃんと色々話しているうちに、動物好きである事を看破され
「うちの娘がトリマーをしてるんだけど、年末は予約がたくさん入って大変だから、年末だけ手伝ってくれない？」

って事で、犬のトリミングのお手伝いに行っていた事がある。

仕事は、毛玉が絡まりまくった犬の毛をブラッシングして、ほぐす作業と、ひたすらドライヤーで乾かす作業であった。

多かった犬種は、当時でマルチーズ、柴犬、シェトランドシープドックであろうか。
犬って流行があるやんな。
それもどうかと思うねんけどな・・。

某漫画が流行った時に、一世を風靡したシベリアンハスキーなどは「こんなに大きくなると思わなかった」「こんなに凶暴だとは思わなかった」と、途中で育児放棄され保健所行きにされた子も多かったと聞く。
それを聞いた時、とてもやるせない気持ちになった事であるよ。

ペットとはいえ、イキモノであるので、飼うからには、一生の責任を持って欲しいと僭越ながら思う。
ちなみに保健所は安楽死ではないですよ。炭酸ガスで窒息死させられます。
日本の殺処分される犬猫の多さは世界的に見ても異常に多い。
思いやりの国と言われているのに、何故なんだろうと思わずにいられない。

なので、私は生体販売するのやめろや派です。「ペットショップ」というものが、そもそも好かん。
純血統が欲しかったら、ブリーダーさんに予約する制度にするとか、法律で厳しくして欲しい。
あと、可愛い可愛いだけの、動物番組。ほとんど観ません。
こういう、衝動買いさせるようなペットショップや可愛いだけの動物番組が、根源の一端になってるんちゃうん！と思うので。

でも、この間、ちらっと志村動物園みたら、森泉さんが保護犬引き取ったりしてるんだね。
あと、滝川クリステルさんも殺処分ゼロを目指す財団を作ったそうだ。
うんうん、うなるほど金あるんだから、率先して頑張って欲しいと他力本願で申し訳ないけど、思います。
うちは、拾った5匹の猫を、絶対に看取るまで責任もって世話しますけん！

話が暗くなってしまってすんまそん。

さて、マルチーズや毛足の長い犬に多かった「毛玉絡まり犬」

普段、ブラッシングしないとこうなる。という見本のような子達は、本当に大変だった、ほぐすのが。
あまりにひどい子は、短髪にされていた。

で、洗われてドライヤーをかけてピカピカになると、ビフォーアフターみたいで、凄いね！キレイになったね！とトリマーの娘さんと二人で喜んでいたのも、いい思い出である（笑）

そして1万円もする犬用の洋服の値段にもビックリしたが、それを買っていく飼い主の多さにもビックリした事であるよ。

犬種によっても、性格もだいぶ違う。

まずマルチーズや小型犬は、ブラッシング、洗う、ドライヤー。すべての工程を怖がる子が多く、抱き着いてくる子が多かった。
多分、抱っこ癖がついているんやろうな。
仕方ないので、抱っこしながらドライヤーをかけていたけど、とても暑かったよ。
頼られてる感がたまらん可愛かったけど。

そして、シェトランドシープドックやコリーなど、超長毛種を乾かしている時に舞う、毛の量の凄さよ・・。
部屋一面に毛が舞う。口にも入る。いや凄かった。

そして、飼い主に必ず付き添ってもらわないと、危険で作業できないというのが、柴犬に多かった気がする。
穏やかな子ももちろんいたけど。

この柴犬が実は、乾かない度ぶっちぎりでNO.1であった。

こんな短毛なのに、何故？と思った。
よく観察したら、柴犬は、毛が二重か三重構造になっているようだ。
表面の毛は、すぐ乾くのだけど、内側の毛がぜんっぜん乾かない。
ひたすら手で逆なでして乾かしてくのだけど、本当に、乾かない。
毛に指を突っ込んでも乾かして乾かして突っ込んでも、いつまでもシットリしている。

時期は年末で冬であるので、完全に乾かさないと風邪をひかしてしまうゆえ、手がちんちんに暑くなりながら乾かしていた。

柴犬が来ると、うわっ！乾かない柴犬がｷﾀ━(ﾟ∀ﾟ)━!とか思っていた（笑）

あ、ネコも1匹来た事あるなー。
ずーっと鳴きもせず、嫌がりもせずに、ジッと耐えてるから
「偉いねー♥」と顔を覗き込んだら、黙って顔面にパンチされた（笑）

総じて楽しいバイトであった良い思い出である。

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