趣味で某伝統芸能を15年ほどやっていました。
お祭りや老人ホームからオファーがあれば出演したりしてました。
中でも解散前に行った病院内の施設は凄く印象に残っています。
ここは比較的重度の方が多かったようなのですが、演舞が始まると、最前列に座っていたおばあちゃんが、手を叩いて満面の笑顔で一緒に歌っていました。
他の人たちも凄く楽しそうにしてくれていました。
音が大きいので、何か琴線に触れるのでしょう、泣いてしまうご老人が必ずいます。
そして「来てくださった日の夜は興奮してなかなか寝なかったんですよ」とメールを頂く事もよくありました。
先の病院施設のおばあちゃんは、普段はまったく感情を出さないのに、あんなに喜んでて本当に驚いた、と後日、お礼のメールを頂きました。
正直、有料の高級な所は隅々までキレイで色々と行き届いているって感じがするのですが、そこは明らかに人手不足っぽかったです。
民間と公営の違いというか…。
そして、公営の施設からオファーが来る事は、ほとんどありませんでした。
ここが唯一といっていいかもしれない。
たまたまそこで働いていた看護師さんが友達経由で声をかけてくれて、上に許可を取るのも大変だったみたいです。
その看護師さんが、患者さんに少しでも喜んでもらいたい、と私たちを呼んでくれたのが現場に行ってみて何となくわかりました。
謝礼も用意できなくてすみません、とお菓子を自腹で用意しててくれて、すごく恐縮してくれてて…。
※基本的に謝礼はいらないですってしてました。が、どこもお車代やお礼として🧧下さいました。この時は駐車場代も出なかったので恐縮された訳です。
全然気にしないでね!て言ったんやけど。
施設の上の方は「やるなら勝手にやってね」って感じやったんちゃうかな※
古い建物の大きな窓から見えた夕日とご老人。
時が止まってしまっているようなその場所で。
演舞が終わった後に、一緒にこのサークルを立ち上げた初期メンバーと話してて
👩「何かさ…ここで演れて良かったよね…」
👦🏻「…うん。俺も思った」
止まった時を、ほんの少し。
本当に少しだけ動かせたような気がして。
風通しの悪い場所に、そよ風くらいはいれてあげれたのかな、だったらいいな、と思いました。
今はこんな事も出来なくなってきている、まさに「それどころじゃない」世界になってしまってますが。
それでもやはり。
生の音楽は絶やしてはいけない。と私も思います(ぼんやり昨日の続き)