2017年 イタリア
ローマのカフェ“ザ・プレイス”の片隅に居座り続ける謎の男。彼にさまざまな願いや悩みを持ちかけてくる相談者たち、それぞれの運命の行方を綴る不条理的群像サスペンス。
WOWOWより引用させて頂きました
って事で、不条理サスペンスかー…どうかなーぁって観たら面白かった‼️
出てくるシーンが、カフェと外観のみ！なのに、最後まで飽きなかったです。
カフェの片隅に居続ける謎の男の前に、自分の望みを叶えるために相談に来る相談者たち。のみの構成。
望みは何かを聞かれ、願い事が決まったら謎の男は、分厚い皮のノートを開きます。
そこに書いてある「指示」に従うと願いは叶うという。
この指示が難易度高い。
爆弾を作って爆発させろとか、女の子を殺せ、とか…。
当然、相談者は怯みます。
そんな犯罪は犯せない、と。
「これは強制じゃない」と男は言います。
他の指示にしてくれというも、コレかナシかだと言われて、自分の望みを叶えたい人達は果敢に挑戦しようとします。
相談者達は、経過を逐一、報告に来るので、ワンカットのシーンでも、それで話が進んでいくんですね。
そして、時間を追うごとに、相談者達が絶妙に絡み合っていく様も見事でした。
この謎の男の信頼性ですが、やはり何だか不思議な力は持っているという描写はあります。
支持の内容だけみると、悪をそそのかす悪魔っぽく見えるんだけれども。
でも時々、悲しそうな顔をします。
例えば、旦那の愛を取り戻したいと相談に来た女性への指示は、浮気をしてその相手の家庭を壊せというもの。
でも浮気しようとした相手の旦那さんが、奥さんへの愛が深すぎて成功せず。
ベッドに下着を置いたり、香水をつけたりして、結果「浮気(してないけど)相手の家庭を壊す」という指示は成功します。
「家庭を壊してやったわ」と報告にきた女性の話を聞いている時の謎の男は、一瞬だけど、とても痛ましい顔をするんですね。
それでこの女性の望みは、一瞬、叶ったかに思えましたが、結果的に旦那さんのDVで命を落としました。
逆に、指示を遂行できなかったけれども、自分の在り方、考え方がかわり「本当の望みは何だったのか」がわかる人もいれば、支持とは真逆の事をして、息子の癌が消えたという奇跡が起きた人などもいました。
謎の男は、神なのか、天使なのか、悪魔なのか。て感じですが。
「あなたは神を信じてますか？」という相談者の質問には
「"詳細"は信じている」と言います。
そして、こんな指示には従えない！とみんな音を上げるんだけど「やり方はいくらでもある」と何度か言ってました。
無理難題な指示への「やり方」というよりも、もっと根源的、潜在的な「選択の意思決定」の事なんじゃないかな、と思いました。
あと「指示」の内容は、望みを叶える為の対価かな、と。
指示を完遂しなくても願いが叶った人は、違う方法で対価を支払ったからかな？と思いました。
DVの女性についても考察しましたが、これはよー言えません💦
ほんで、ビックリ？のラストシーン！
謎の男が「今の役回りを辞めたい」「悪い話はもう聞きたくない」とウェイトレスのお姉さんに弱音を吐きますが
「できるわ(ﾆﾔﾘ)」といって皮のノートを手に取るお姉さんをみて
上司や！！と思った(笑)
謎の男より上位なんですね！これは、はー！ってなった(笑)
という訳で、天使とか悪魔とか無理やりカテゴライズする必要はなくて「そうゆー存在」なんだろうなと思っとけばいいかなと！
元々、天使や悪魔って人間が勝手にカテゴライズしたものかもしれないしね。
不思議な魅力にあふれた映画でした。
